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ある日突然、上司からANAの大型キャンペーンに関して、提案書を作成するように言われた。一般職の私に、こんな仕事が舞い込んでくるとは珍しい。戸惑いながらも必死になって、直販部や通信販売部の社員たちに知恵を借り、旅行商品を購入するお客さま向けに、販売促進グッズを提供する企画を立てた。その企画内容が高く評価され、競合他社を押し退け数千万円に上る仕事を受注することができたのだ。『私でも、こんなことができるのか』チャンスをくれた上司に感謝するとともに、自分の中に眠っている能力に驚いた。
この成功で自信のついた私は、営業の最前線で仕事をするようになる。夜遅くクライアントから呼び出され、叱責を受けるような厳しい仕事もこなすうちに、気付けば恐いものはなくなっていた。クライアントへ提案営業することが楽しくて仕方がない。自分のアイデアが形になっていくことに、胸が高鳴りワクワクする。上司の勧めもあり、管理職の登用試験を受け、2009年4月から管理職に転換、マネージャーとなった。
現在、私が担当しているクライアントの一つに、大手レンタル会社A 社がある。担当して2年半近く経つが、今回新たにCMが一新されることになり、初めてCMの提案にチャレンジした。全日空商事ではこれまでテレビCMを扱ったことがない為、他社の広告代理店と共同で企画を行った。良い放送枠は大手広告代理店に押さえられてしまっている為、クライアントの既存概念を打破するような斬新な企画で勝負することとした。結果として採用に至ることはなかったが、新しいことへの挑戦、クライアントに認めていただけたこと等が大きな収穫となった。
CMは逃してしまったが、他の広告は全部取りに行くという気概で、その後の提案に臨んだ。A社とは、担当者はもちろんその上司の方、そのまた上司の方と幅広い階層の方々とじっくり話し込める関係を構築しているため、ニーズを的確に把握し、タイミング良く多彩な広告媒体の提案ができる。モノレールの羽田空港駅の柱周りの広告や、鉄道の中吊り広告と女性誌を連動させた広告などを次々に提案し、採用していただくことができた。クライアントのことを一番に考え、喜んでもらえるような提案を行ってきた私の努力が実を結んだのだ。アイデア次第で様々なことができるという手応えを掴んだ。

私が仕事をする上で常に心掛けているのは、失敗を恐れず、とにかくやってみようと考える前向きの姿勢を持つということ。そして同時に自分の頭で考えることだ。他人から言われたことだけをやるのは簡単で、誰にでもできる。ある目標に向かって進むとき、それを達成するための手段はいろいろあるはずだ。そこに自分のアイデアを活かせるかどうか。ダメモトでも構わない。のびのびとした発想力が、今までにない新たなアイデアを生み出すのだ。


