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2004年12月に開業した羽田空港第2ターミナルビルでは、全日空商事が店舗展開を担当しているフード・ギフトショップ『ANA FESTA』も11店舗が新規オープンした。限られた時間とスペースの中で複数の店舗を同時にタートさせたこのプロジェクトは、全日空商事の店舗開発のノウハウが最大限に活かされた典型例と言える。 |
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黒澤 繁
店舗営業部業務チーム
兼事業推進チーム
1991年入社 |
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和田 邦彦
店舗営業部事業推進チーム
1991年入社
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| 総務部などでの勤務経験もあるが、キャリアの半分以上は店舗事業部で店づくりに関わってきた。プロジェクト当時は、羽田以外の店舗の販売促進業務も行いながら、出店準備に従事した。 |
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旅行関連業務、直販部で海外店舗の販促活動、店舗運営部のシステム担当など、多彩なキャリアを持つ。プロジェクト当時は、旧ターミナルで営業中だった店舗の店長も兼任していた。 |
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2004年12月の開業に向けて、プロジェクトは2003年の春から本格スタートした。当初は店舗営業部員4名を中心としたチームで動き出し、2004年から増員され、最終的には店舗責任者も含めた10数名のメンバーが集まった。
まずは、空港ビルや不動産会社との交渉による出店場所の選定から始まる。店舗数・面積・立地条件などの要望を出し、他社のテナントよりなるべく有利になるような「場所取り」を行うのだが、旧ターミナルでの実績への評価もあり、希望に近いポジションを確保できた。
店舗数は、フードショップ5店、ギフトショップが6店となった。続いて、各店のコンセプトを固めていく。フードショップは、従来の総花的なレストランとは一線を画し、「和・洋・中」と明確にカテゴリー分けした店舗づくりを目指すことにする。店舗ごとのコンセプトとしては、「東京らしさ」「全日空商事らしさ」などを打ち出した。そのコンセプトを実現するため、「中華」のショップには、東京ラーメンの名店『ちばき屋』とのコラボレーションによる商品開発を行ったり、「和」のおにぎり&そば・うどん店では、全日空商事のネットワークを駆使して全国から厳選した食材を使用したおにぎりをメニューに加えたりと、『安心・安全』のモットーに基づきながらも新しい試みにも挑戦している。 |
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コンセプトが固まると、次は、各店の設計段階に移る。空港内ショップが市中の店舗と最も異なるのは、お客様の店内滞在時間が短く、クイック対応が求められることである。お客様の流れやスタッフの動線を考慮し、できる限り効率的に運営できるような店内設計にしなければならない。他にも、1店あたりの面積が相対的に狭い、火気の使用が難しい、供給される電気容量に制限があるなど、空港内ならではの課題も多く、什器や調理器具などの選定も含め、各店の取扱商品に応じた最適なカタチを模索し、設計事務所との打ち合わせを重ねていく。特に、売上に直結する席数の設定と配置は苦労するところ。過去の経験やデータを基に決めるのだが、新ターミナルだけに予想のつかない部分がある。ゲート内は搭乗客の利用に限られるため1日の客数などが予測しやすいものの、ゲート外には見学客なども含めた不特定多数の来客があるからだ。結果的にはほぼ狙いどおりになったが、ゲート外に関しては想定以上の集客となり、「嬉しい誤算」(和田)だったようだ。
2004年の8月には着工に至る。プロジェクトのメンバーたちは、施工のスケジュール管理をしながら、物販用のブランドや商品のセレクト、料飲メニューの詳細な詰めにあたる。新ブランドの導入など、ここでも新たな取り組みがあった。また、店舗でパンを焼く、おにぎりを握るなど、「手作り」にもこだわり、空港内ショップとしては画期的なサービスも実現している。
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設計・施工と並行して、オープニングスタッフの募集、トレーニング、シフトやオペレーションの作成なども行っている。「ハード」面だけでなく、店舗づくりには「人」は欠かせない要素である。新ターミナル開業で他社も含めた出店ラッシュの状態になり、人材確保には苦労した。スタッフ数の不足は、一人ひとりのサービスの質の向上、効率的なオペレーションの考案などでカバーする。トレーニングは、旧ターミナルで営業中の店舗でのOJTを中心に実施。11月に新店舗が概ね完成してからは、現場でのオペレーションの試行やトレーニングが始まった。実際に店内でスタッフが動いてみると不具合が生じる場合もあり、施工やオペレーションの変更も余儀なくされる。納入した機器がうまく作動しない、商品が予定どおり入荷しないなど、トラブルは後を絶たない。
「なにせ11店舗が同時進行しているので、この時期の忙しさは相当なものでした。我々はアルバイトも含めたスタッフ全員に明確にコンセプトを伝え、みんなの士気を高めるように心がけました」(和田)
「旧ターミナルから移行したスタッフは、昼間はお店で働き、夜に新店舗でトレーニングする日々が続き、かなり辛かったと思います。みんな本当によく頑張ってくれ、感謝の気持ちで一杯です」(黒澤)
各種作業はオープニング日のギリギリまで続いたが、プロジェクトは一体となり、共通の目標に向けて着実に進んでいった。
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いよいよ迎えたオープニング当日。黒澤はテレビ取材などマスコミ対応に追われ、和田はトラブルに供えて関係業者の技術者らを招集しスタンバイしていた。どのプロジェクトメンバーにとっても、瞬く間に過ぎた1日だったようだ。
「前日から眠っていない状態だったので、当日は、正直なところほとんど何も考えずに体だけが勝手に動いていましたね(笑)。ただ、今振り返ると、初めて学校に通う入学式の朝のような、ワクワク感やドキドキ感があったと思います」(黒澤)
「お客様がちゃんと来てくださるか、我々の立てたコンセプトを支持してもらえるかという不安な気持ちで当日を迎えました。私のほうは、新入生に付き添う親の気持ちですかね(笑)。結果は、集客もお客様の評判も上々で、一安心でした」(和田)
無事に新店が営業を開始し、店舗開発プロジェクトは一区切りつくが、その後もお客様の反応や売上を見守りつつ、商品構成やオペレーションなどを随時変更していく。なかなか気の休まることのない大変な仕事だが、「店のコンセプトづくりから立ち会え、自分の提案をほとんど実現できた達成感」(和田)や「人・モノ・金を全部扱える経営者的な面白さ」(黒澤)がメンバーたちの支えてとなっている。
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